日本経済の景気がなかなか回復しないなか、就職難の時代が続いています。2011年3月に大学や高校を卒業する人たちの就職内定率の低さがたびたび報道され、新卒の採用市場は「超氷河期」などとも言われています。下のグラフを見ても分かるように、大学や短期大学の就職率は好況、不況の影響をもろに受けて変動してきました。昨年3月に大学を卒業した人たちの就職率はその前の年から大きく落ち込んで60.8%に。今年はこれをさらに下回る可能性も出てきています。
大卒者の就職率が低下しているのは景気のせいばかりとも言えません。大学進学率の上昇に伴って、そもそも「大卒者」の数が増えたことも原因の一つです。大卒者は、「せっかく大学を出たのだから」と知名度の高い上場企業を指向する傾向が強く、少ない採用枠に大量の応募者が殺到することになります。一方で中小企業などからは「就職難のはずなのに人が来ない」と嘆く声が聞かれ、雇用の現場においては需給バランスの不均衡が拡がっているのです。

専門学校がいくら就職に強いといっても、まったく不況の影響がないわけではありません。おおむね80%前後で推移してきた専門学校の就職率も、さすがに昨年は「未曾有」とも「100年に1度」とも言われた不景気の中で74.7%に止まりました。しかし特に資格がものをいう職種に限って言えば、相変わらず90%近い就職率をキープしていますし、各分野とも就職した人の8〜9割は学んだ分野に関連した専門職に就いているのです。(グラフ参照)

専門学校のカリキュラムは実技や実習の授業がとにかく多いことがいちばんの特徴。基礎・基本の修得に加えて、実際の仕事現場に近い状態でシミュレーションできるから、常に自分がプロになったことをイメージしながらトレーニングが積める。業界をよく知る先生たちからナマの新鮮な情報を得ることも大いに勉強になるはずだ。企業でのインターンシップを取り入れている学校も多く、教室で学んだことを実際に現場で確認しながら身に付けていくという学習効果をあげている。
学生数が多い大学では、キャリアセンターがあっても活用している人はごくわずか。多くの学生は自力で就活に臨んでいる。でも専門学校はクラス担任を中心に就職指導担当スタッフやカウンセラーなどが連携を取り、学生一人ひとりにきめ細かい指導をしてくれる。仕事選びの基本的な相談はもちろん、思うように就活が進まないときや志望企業に落ちてしまったときのフォロー、進路変更への対応もきちんと考えられている。さらには卒業した後も転職や再就職の相談に乗ってくれるという面倒見の良さだ。
専門学校は入学すると同時に就職に向かっての準備が始まっていると言っても過言ではない。「専門学校で学ぶ=職業人を目指す」ということなので、日々の授業の中でプロになる意識を徐々に高めていくことができる。キャリアガイダンスや業界研究、マナー研修、模擬面接などが定期的にカリキュラムに組み込まれ、就活に向けて着々と準備が積めるようになっている。
いまや大学生は3年生になると学校の授業よりも就活に費やす時間の方が多いのでは、というくらい会社訪問やエントリーシートの作成に追われることになる。でも専門学校生の就活は、目指す業界や職種がはっきり決まっているし、応募先を厳選するから短期集中で効率的。授業への影響も最小限で済むはずだ。
大学生の就活はインターネットの就職サイト頼みだが、専門学校の場合は学校に直接寄せられる求人票から選ぶのが基本。長年にわたって多くの卒業生を採用している企業というのは、専門学校との信頼関係が厚いということ。そんな企業や業界とのパイプが太いことが、専門学校にとっては優良校の証といえるだろう。また、知名度が低かった り規模が小さくても、ピカリと光る良質な企業が、数多く専門学校生を採用している。

















