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作品づくりに没頭できた専門学校時代はいまの基盤となる貴重な時間。
迷いの多い不安定な職業だからこそ、「撮りたい!」という想いの強さが道を拓く。
写真を撮り始めたのは高校時代。父が持っていた一眼レフカメラで撮影しだしたのがきっかけでした。その後、大学で歴史を専攻しながら写真部に所属。大学4年で自分の将来を考えるにあたって、教師、編集者、カメラマンの選択肢があり、それぞれ就職活動をしたのですが、「やはり写真で食べていきたい」と専門学校への再入学を決めました。自分なりの葛藤を経て進学したので、専門学校の授業は休まず出席しました。でも、いま実感しているのは、専門学校時代の“時間”こそ、何よりの財産だったということ。作品づくりに打ち込める時間と環境は、社会人になってからではなかなか得られません。
専門学校卒業後、私は写真スタジオに就職しました。同級生には新聞社の写真部や出版社に就職した人、そのまま作家活動に入った人などいましたが、私は幅広いカメラマンの手法を学びたかったのです。2年間のスタジオ勤務を経てフリーランスの立場でアシスタント活動を開始。その後、専属アシスタントとしてモード写真を撮っておられる蔵田好之先生に約1年半師事しました。
フリーランスのアシスタントのときは、多彩なカメラマンのテクニックを現場で学ぶことができました。フィルムや機材の知識、モデルさんへの接し方、ライティングのテクニックなど…。専属アシスタントになってからは、より深く、カメラマンとして生きる姿勢、在り方のようなものを教えていただきました。
その後、いよいよ独立したわけですが、独立=仕事とはいきません。フリーのアシスタント的なこともやりながら生計を立て、徐々に仕事を獲得していきました。また、私は「2000年第2回三木淳賞」をいただきましたが、こうした賞は仕事のためというより、自分の作品を撮り続ける気持ちを維持するために応募する価値があると思います。
フリーランスのカメラマンは迷いの多い職業です。チームの一員として雑誌や広告をつくる社交性、ひとりの作家として作品を撮り続ける意志の両方が必要。だからこそ「何かを撮りたい」という想いの強さが、未来を切り拓くのではないかと思います。